麩菓子

お嬢さんの麩菓子のレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.4
RedVelvetからかなり遅れをとり視聴。
なぜ早く観なかったのか。それは私がRedVelvetに導かれるためだったのでしょうか。ただでさえ好きに満ちたテイスト、そこに加わる愛しの5姉妹のエッセンス。

前情報はチルキルテイストだけ。それ以外本編内容俳優監督陣の情報なし。なんとワクワクする久々の映画体験。

1部2部3部とどんどん観客を翻弄する作り。私、1部でアガシが珠子をまんまと病院送りにしてやったあのシーン本当に鳥肌が立ちました。私もまんまと華麗に騙されたのです。
美しく狡猾なアガシ…しかしながらどこかに救いを求める危うく揺れ動く心境が表情仕草から滲み出る…なんと繊細な演技だろうと思った。
3部のワクワク感あれは何度でも味わいたい、ただの爽快さでもないただの怨恨でもない、鮮やかな復讐劇、ここにオールドボーイの残像を感じた私、なんと鋭い娘なの❗️と後々思いました。2人が船の上で見つめ合うあの瞬間、本当に幸せになりました。もう、幸せである2人が幸せな私。アガシの髭オモロだったんですけど、本当に綺麗な人。演技で酷評された過去があるとか。覚醒物語気になるところだが公にはしないで欲しい。美しい女、か弱いだけではない、強すぎるわけでもない、純真さがあるのに、狡猾さを持っていて、無関心さを携えながら、激情を抱く。逸材ですよね。スジン嬢、フィイン様、よろしくお願い致します。珠子の絶妙さも半端じゃないですよね〜。この2人の人間性の複雑さ、複雑ながら純真であり求め合う2人。人間性の豊かさというか、人間としての豊かさを目の当たりにした気がした。(いいなぁ、私もこんな出会いがしたいな。)

伯爵があまりにも報われないというか何も叶わなかったんじゃないかという可哀想な役柄なのか?というほど可哀想で驚いた。彼はお金がある状態を望んでいたのか、お金を使う状態を望んでいたのか。
映像美、衣装セット小物等は言うまでもなくですよね。パクチャヌク監督作品はどうもインテリアがドツボらしい。どのような環境に居たらこの色彩というか感覚が芽生えるのだろうか。
ただ、日本語が聞き取りづらかったので、日本語字幕も入れてほしかったな〜。