kazu1961

お嬢さんのkazu1961のレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.4
▪️Title :「お嬢さん」
Original Title :「Ah-ga-ssi」
▪️Release Date:2017/03/03
▪️Production Country:韓国
🏆Main Awards : 第71回英国アカデミー賞最優秀外国語作品賞
▪️Appreciation Record :2019-255
▪️My Review
145分の長尺ですが、一部を観て「えっ!!」、二部を観て「そうやったんや!!」そして三部を観て「よっしゃ!!」そんな感じでどんどん引き込まれました。
本作、『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』、いわゆる「復讐3部作」により世界中で脚光を浴びたパク・チャヌク監督の作品で、「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの小説『荊の城』に基づいています。ミステリー映画としても絶賛されていますが、特に話題になったのは本作における過激なラブシーンですね。
R-18指定の本作では、女同士の性行為を描く場面が多いですが、美しい映像として描かれているため、誰もがそれらのラブシーンを嫌悪感なく鑑賞できる作品になっていますね。
大きなテーマとしては「自由」ですが、その拝見としては、『お嬢さん』では女同士の絆が男性支配制度を脅かし、その絆を成立させることで、秀子とスッキが拘束から逃れるようになっています。本作におけるラブシーンも、強制的異性愛に反する性行為として、男性支配社会から逸脱する手段として機能しているんでしょうね。
とにかく、そのストーリー展開の面白さも秀逸ですし、映像も非常に美しい。ヴィクトリア朝の犯罪小説を、パク・チャヌク監督の視覚的に華麗で夢中にさせる独特のアウティングのための緩やかなインスピレーションとして使用しています。舞台設定がヴィクトリア朝から日本統治時代の朝鮮に変更されているのもこの独特な世界観を創り上げている要因ですね。
最近の韓国映画のパワーは凄いですね。本作も間違いなく傑作だと思います。

▪️Overview
「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督が、イギリスの人気ミステリー作家サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案に、物語の舞台を日本統治下の韓国に置きかえて描いたサスペンスドラマ。秀子役を「泣く男」のキム・ミニが務め、スッキ役は無名の新人女優キム・テリをオーディションで抜擢。伯爵役は「チェイサー」のハ・ジョンウ、秀子の叔父・上月役は「最後まで行く」のチョ・ジヌンがそれぞれ演じた。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門ノミネート作品であり、美術監督のリュ・ソンヒが韓国人初のバルカン賞を受賞、第71回英国アカデミー賞で最優秀外国語作品賞、第53回百想芸術大賞で大賞を受賞した。
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