Ryoko

セールスマンのRyokoのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
3.7
トランプ大統領の移民政策への抗議のためアカデミー賞授与式参加を辞退したアスガー・ファルハディ監督作品。「別離」が素晴らしかったため鑑賞。
ある事件をめぐってぶつかり合う人々の心情を巧みに描いているという点では共通していた。劇中劇を活かそうとしたり、暗示的なシーンが多々あったりと、テクニカルにやりたい作り手の意思が見えるんだけど、もうちょっと設定をストーリーに活かしてほしかったという印象。
役者はみんな「普通の人」に徹しており素晴らしかった。みんなにモヤモヤさせられた。
勧善懲悪で語れるほど単純にはいかない人間模様、とあるきっかけでタガが外れ善から悪に振れてしまう人間の不安定さ、
理性を保つことがいかに難しいか、理性と共に無くしてしまう大切なもの。
人生は、映画のようにはいかない。
とっても曖昧で不条理。
Ryoko

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