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見習いのbackpackerのレビュー・感想・評価

見習い(2016年製作の映画)
4.5
東京国際映画祭2作目。
あぁ~、良かったぁ。
胸が締め付けられるような、思わず呼吸が止まるような映画体験でした。

監督に直接質問することもできて、大満足です。
アイマンの、無表情の裏側に鬱積している感情の爆発がとてもインパクトありました。
死刑執行で、どこかまだ執行人の立場でありながら距離のあったアイマンが、人の死に直面して、激しく揺さぶられるのが良かった。

監督は、ポパイのキャビネットをカタルシスだと仰っていました。
うーん、父親を軸とした葛藤なのか。
立ち位置変われば視点も変わり、両面を知っていることがフラストレーションになってしまっているのか。
二面性が腹の中にじわじわと沈殿していって、表情はあんまり変わらない。

なんだか尾を引く映画です……。
死刑の意味を、考えさせられます。

アイマンの顔へのクロースアップの終わり方も、余韻を残します。
はたして、レバーを前にした彼の心はどうなっているのか……。

死刑執行、死刑囚、死刑囚遺族、そして執行人。
それぞれの置かれた状況と死刑問題について喚起させられる映画でした。
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