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見習いのTOTのレビュー・感想・評価

見習い(2016年製作の映画)
3.8
若き刑務官アイマン、老齢の死刑執行人ラヒム。
2人は出会いアイマンはラヒムの補佐を務めるが実はアイマン父の死刑を執行したのは…ってお話。
死刑制度を執行人の苦悩と、青年が執行人になる過程、師弟ドラマも盛り込んで予想以上にスリリングな面白さ。
音と反復が効果的で、うまいなーと。

アイマンがラヒムを父の死刑執行人と知りつつ側を離れないのは、師弟のそれか、ラヒムに父を求めてか、ラヒムの二面性に惹かれてか。
ラヒムのプロフェッショナルな仕事ぶりと対照的にプライベートの危うさを描き、アイマンがその危うさすら継いでいくように見えるのがちょっとJUNEで良いですね。

Q&Aに登壇されたブー・ユンファン監督は穏やかに話されるナイスガイ。とてもハンサム。
脚本は3年かかり、元執行人に会いカウンセラーや家族からも話も聞いた。アイマン、つまり執行人の視点から描いたのは、国から人を殺す権利を与えられている人の心理に興味があったからと。
死刑を描くことのプレッシャーを聞かれ、勿論あったと。
公的資金の申請先が検閲機関でもあったが、仏独のサポートを事前に得て申請し満額出て、政府が一枚岩でなく色んな意思決定の流れがあると思った。
カンヌ旅費も出たし、オスカー外国語映画賞の代表になり、自国公開もされ良かったーと。
日本でも公開されたら良いなー。

東京国際映画祭2016
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