このレビューはネタバレを含みます
【日常を突然襲う混乱と悲劇】
インドで実際に起きた同時多発テロに基づく作品。
その中でもTaj Mahal Palace Hotelの襲撃を、同ホテルに滞在していた主人公を通して描いています。
裸足の主人公に、お古だけどさりげなくサンダルをくれたインド人おじさんの素朴な親切心が素敵でした。
テロで破壊されるのは、平穏な日常の断片だけではない。助かった者は、犠牲者に対する複雑な思いや罪悪感を抱き、巻き込まれた当事者にしか本心を打ち明けられなくなる。命が助かっても、孤独になり、別の苦しみが続くのだと知りました。