掛谷拓也

マリアンヌの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.0
イギリス軍のスパイとしてブラッドピットが飛行機からパラシュートで砂漠に降り立つシーンから始まる。その後の第二次世界大戦末期のカサブランカの街並みとエピソードが良い。「カサブランカ」を知っている往年の映画ファンは、すぐに政治状況を思い出せる。ドイツ、フランス、イギリス、モロッコの民族、文化、言語が入り混じった当時の国際都市ならではの雰囲気。モロッコの石造りの建物と、涼しいから屋上で寝る人もいるという場面がよかった。女スパイ役のマリオン・コティヤールが美しく、演技も素晴らしい。二人がイギリスに戻ってからがストーリーの中心だが、前半のエキゾチックで煌びやかな映像と比べてロンドン周辺の戦時中の陰鬱な街並みが中心で気持ちが逸れる。ストーリーもありきたりのロマンチックラブ、ファミリーバリューで好みではなかった。好きな人は好きと思う。