まーしー

マリアンヌのまーしーのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦の戦時下、スパイ活動で出会った男女の恋と激動の人生を描く。
男性スパイのマックスを演じたのはブラッド・ピット。その協力者マリアンヌを演じたのはマリオン・コティヤール。美男美女の恋愛を描きつつ、空襲や暗殺など戦争特有のスリリングな場面も用意されている。

冒頭の舞台はモロッコ。
ナチスの大使を暗殺するため、仮面夫婦を装う主人公の二人。男性と女性が生活を共にする様子は、静かに物語が進むメロドラマのよう。
しかし、危険と隣り合わせのスパイ活動とだけあって、ところどころに緊張感が伴う。

中盤からはイギリスが舞台。ここでマリアンヌにある疑惑の目が向けられる。
彼女は本当にマリアンヌなのか。それとも裏の顔があるのか。
マックスへの愛は本物なのか。それとも偽物なのか。
愛と疑惑の狭間で苦悩し、真相を解明しようと奔走するマックスの姿が痛々しい。

そしてラスト。衝撃だった。見事に予想を裏切られた。
唖然とした中で迎えたエンドロール。この時、「マリアンヌ」という邦題の意味を理解した。
作戦がきっかけの結婚はうまくいかない——同僚が放ったセリフが見事に伏線となっており、緻密に練られた脚本だと唸らされる。

スッキリしないので観る人を選ぶと思うが、私は見て良かった。