初ギトリ作品。
欲望と理性の葛藤。ロメールを偏愛する僕からしたら好きな題材である。
カメラの極端な動きのなさやカットバックの多さが印象的。
俳優の力みたいなものを強く感じ、運動<会話で成り立つ映画のように思えるのだが、それは最後のモノローグのようにかなり魅力的な部分にも繋がるのだが、そのせいでどこか説明的になってしまいすぎた気もする。
あと、ハイテンポな会話劇がなんかあんまりリズムを掴めず最初の方ダメだった、、
ただ、耳の悪い婆さんとその亭主との食事シーンがめちゃよくて印象に残っている。会話の面白さだけでなく、婆さんのためによりフィジカルを用いた表現が生まれる。聴覚を刺激するだけでなく視覚さえも刺激するこの多重的な空間はかなり愛おしかったし、そりゃ最後の独白も色んな角度から楽しめるよ…