SatoshiFujiwara

デジレのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

デジレ(1937年製作の映画)
4.2
アンスティチュ・フランセ東京―エスパス・イマージュでのサッシャ・ギトリ特集にて。

ギトリと言えば『とらんぷ譚』に人が言うほどには乗れなかった印象があるが、これはムチャクチャ面白いじゃないの。

冒頭で召使の「面接」にやって来たギトリ演じるデジレが女中のマドレーヌ(演じるはアルレッティ!)を口から発する妙な音でしつこく呼び戻す笑うしかないシーンの絶妙なタイミング。一旦女優である雇い主のオデットに雇われながらそれが解消されそうになるシーンでのデジレとオデットのダイアローグ。オデットの内縁の夫、フェリックスが友人の老夫妻(妻の耳が遠いのだ)を招くディナーのシーンetc…。

本作に限らないが、ギトリの過剰なまでのマシンガントークとその声色、トリッキーなアクション、これだけで映画はなにやら祝祭的な色彩をどんどん帯びてくるのがギトリのマジックなんだろう(ギトリが演劇出身であるとか彼の映画が演劇的だとかは差し当たって俺にはどうでもよい)。このアンスティチュ・フランセのギトリ特集、スルーしないで大正解でした。
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