えいがのおと

闇金ウシジマくん Part3のえいがのおとのレビュー・感想・評価

闇金ウシジマくん Part3(2016年製作の映画)
3.8
シリーズにしては珍しい、比較的後味の良い作品。

ウシジマシリーズはどうしたって、ドラマの方がいい。
それは、闇金に関わるような裏の世界の人々を描くのであるから、安っぽいセットで、胡散臭い人たちが出てこないといけないからだ
そうすると、予算の関係で、そうならざるを得ない、ドラマ版の方が世界観にマッチするのは当然である。
もちろん、メインの山田孝之は大人気の俳優なのだけれども、彼の本気の役作りにより、そうしたスター性などを感じさせないから、そこは問題なく成立している。
であるからして、皮肉なことに、予算のかけられる、かつ、集客を求める、映画版は、ウシジマの世界観を描くのにはあまり適していない。
そのため、一作目はかなりの違和感があったが、二作目では実力派をすえることで、その欠点を補っていたように思う。
そして、本作だが、乃木坂、でんぱ組、オリラジ、在日ファンク、テラスハウス出身モデルなど、演技力別として、名の知れた、しかもそこそこキャラの強い人々がキャスティングされていた。
そのため、また残念な形になるのではないかと思われたが、そこは三作目。絶妙な配役で、特に藤森が舞台挨拶での絶賛の通り、かなり良い演技をしていて、キャラはキャラなりにうまく生かして、かなりウシジマらしさのある映画に仕上がっていた。
そのため、ストーリーは逆にウシジマらしくない結末にもなるわけだが、劇場版としてはよかった。
ファイナルが、かなりウシジマに沿ったエピソードになりそうなので、今作は債務者メインで、かつ、純粋にお金の話を扱っていて、バランスの良い二作連続公開になりそうだと感じた。
地味な役で地味に売れてる人たちが出ていて、そうした人たちが、綾野剛なんかよりも全然出ているので、もっと事前発表してあげてもよかったのに…とは思った。