ふじこ

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

デリーの町では他の6倍、大人が消えるらしい。子供はもっと消えるらしい。
そんな呪われた町で暗躍する踊るピエロ、ペニー・ワイズとそれに立ち向かう子供たちのホラー有り、ボーイミーツガール有りのティーンも大人も楽しめるホラー映画。
ストレンジャーシングスめいた少年少女探偵団みたいな雰囲気。
この眼鏡の美少年見たことあるな?と思ったらまさにそっちにも出ている子だった。相変わらずかわいい。

前篇・後篇と二部作なのを知らず、後半だけを観てしまっていたけれど、ふとホラーが観たい気持ちが湧き上がって視聴。
一作目の方が面白いじゃない…!

冒頭、大雨の降りしきる外へ、兄に作って貰った紙の船を持って飛び出す黄色い合羽の男の子、ジョージー。
彼が排水溝から覗く気色の悪いピエロに腕を食い千切られ、引きずり込まれてしまう所から。
このジョージーがもう、普通に超かわいい。二作目ではもう既に死んでる子として色々酷い登場のしかたばっかりだったけど、こんな可愛かったのか~。

そこから、兄でありジョージーの生存を信じているビリー、眼鏡のおしゃべりリッチー、潔癖症で偽薬を飲むエディ、ユダヤ教のスタンリー、おデブの転校生ベン、両親を亡くしバイトで働く黒人マイク、大人びて淫売の噂を立てられ一人ぼっちのベバリー。
この7人でジョージーを探すビリーに付き合う形でペニー・ワイズへ立ち向かう。
デブちゃん(かわいい)とマイクは、田舎町にありがちなやたらソリッドで不幸な家庭環境にいそうなワルに追われている処を助けてパーティーインする。
このともすればひと夏の爽やかさすらある思い出風の景色とは反対に、割と簡単にバンバン人が死ぬ。子供も大人もおにーさんも死にまくる。

どちらかと言うと陰の者達が集まり、ルーザーズクラブを設立、ぼっちだったデブちゃんが調べたデリーの町の歴史、各々が観た恐怖の幻影から殺人ピエロ ペニー・ワイズの根城を突き止め突入する。
そこでは見事に弄ばれ敗北し、エディは腕の骨を骨折、過保護な母親にブチギレられ、更に皆と喧嘩になってしまい散り散りに。
しかしベバリーが攫われた事によって再集結、救出に再度突入。

各々が最も恐れる存在を見せるペニー・ワイズに恐怖するも目の前に現れた、ずーっと、少し年の離れた弟と一緒に遊んであげるのが面倒で一人で外に行かせた、自分が嘘を吐かなければ、目を離さなければ、自分のせいで死んだ、と思っていたあの日のジョージーに遂に決別する事が出来る。
お前は悪くない、と誰かに百万回言われても、自分がそう思えなきゃ何処にも進めない。素直に良かったなぁってシーン。
其々恐怖を克服した全員の力で、恐怖を動力源とするらしいペニー・ワイズは追い詰められて井戸へ消える。

それから、あいつを本当に倒したのかは27年後に分かる。
もしもまた現れるような事があれば、何処に居ても戻ってきて皆で倒そうと約束し、血の誓いを交わす。
これが2の始まりになるんだなぁ~そんなん、2から観ちゃったら えってなるよなぁ。

最後の処、ビバリーが未来を観たかも知れないって話の時にスタンリーが自分の事を訊くけれど、これも2の伏線だったのかな。恐らく本当に観たことを伝えなかっただろうビバリーもまた良い子だと思う。一番勇気あったし。

最早イジメっ子と呼ぶには過ぎてしまった少年達から逃げる処や、一転して立ち向かって石を投げる処、一度屋敷から逃げて喧嘩になったり、エディが母親にぶち撒ける処とか好きだったなあ。
もう二度と一緒に遊ばないくらいにまで(本当にそうなったかは別として)薄まった仲が、仲間のピンチだ!の一言ですぐに集まってくれたり。
子供の方が残酷だと思うけれど、子供の方が情に厚い気がするわ。
爽やかホラーとして良かった。
太った子供はほんとかわいい。
ふじこ

ふじこ