nosonoka

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のnosonokaのレビュー・感想・評価

4.7
子どもの青春トラウマ映画
ホラーだけどきちんと青春も描く、むしろ思春期だからこその未知の恐怖を通して成長していく青春メインのホラースパイス
少年少女が大人になる前の特有な変化や不安、いじめ、親(支配)への反発、そんな心の揺れ動きを、トラウマになるくらいのホラータッチで表現する
メインの子どもは7人もいるのにそれぞれ個性も抱える物もあって感情移入しやすく、彼らのやり取りがホラーの暗さを跳ね返すほど微笑ましく朗らか
そりゃあんなピエロに立ち向かおうなんぞ普通は思わない
けどそこまで至った心の成長過程をコントラストはっきり描いているから、時間の長さ感じず飽きずに見れる
この作品を観ると、子どもの頃に漠然と恐怖を感じたり、仲間との心の繋がりを感じたり、大人になると鈍感になっている感覚が蘇る感じがして懐かしい
彼らのトラウマを具現化したピエロを“それ”と呼ぶことにしたのも、差別的にして逆にミステリアス度も高まる
あえて言うとタイトルに副題は不要
“それ”を克服しても家に帰ったら待ち受ける現実問題も、報われない恋心も綺麗事で片付けないリアル
原作ITと比べるとペニー・ワイズがコミカル過ぎて笑えるけど一度は4DXで見るべきホラー
というか飛び出してくるような仕様にしているあざとさはあるし、現代CG過ぎて不気味感がやや削ぎ落ちてるのも否めない
80年代の発展途上感やファッション、音楽、雰囲気もこだわりぬいてて良い
初代ITから27年経ったのか
それにしても特典映像で笑った
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