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LOGAN ローガンのくまのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
5.0
マーク・ミラー原作、スティーブン・マクニーブン作画という「シビル・ウォー」でもその名を轟かせた名コンビによる「オールドマン・ローガン」を下敷きに、ミュータント種の途絶えたX-Men世界を描く。
ストーリーは原作と全くもって違うものであるが、彼らの作風であるバイオレンスや無常観を根底に残す事で原作の味をしっかり味わえる良い作品に仕上がっている。

因みに原作は翻訳版も出版済みで、他シリーズとのクロスオーバーでややこしいマーベル・コミックスのストーリー群の中でも1冊で理解が出来る初心者さんにも是非手に取って頂きたい作品です。下記のネタバレを知った上でも楽しめる事は確かですが、個人的にはやはり初めて読む喜びを体感して頂きたいです。読まれてない方はこの後絶対買ってきてください。

以下、原作も含めたネタバレ発言が混ざりますので閲覧にはご注意ください。




まず簡単に原作と実写版の設定をまとめると、、
[原作]
・X-Menのみならずアベンジャーズ他マーベル・ヒーローの大半がヴィラン達の奇襲によって全員死亡。
・アメリカ合衆国はレッドスカル、ドクター・ドゥーム、キングピン、ハルクとその孫達によって分割統治。
・老・ホークアイとのバディもの。
・先のヴィラン襲撃によるヒーロー壊滅は、実はミステリオによる工作で、それに惑わされたウルヴァリンによる虐殺。
・ローガンは重い過去故に闘いを捨てている。
[実写版]
・ミュータント壊滅はザンダー博士によるものorチャールズのテレパシー暴走。明確な事実は不明。
・ローガンはアダマンチウムに蝕まれ老化、弱体化。
・子供達含めいくつかのミュータントは生き残っている。
・生活の為にリムジン業。
・クローン子との父子愛もの。

結構違いますね笑。
まあまずX-Men以外のヒーローは版権問題もあって扱えないですし、彼自身がヒーローを皆殺しにした事実も今回の脚本ではかなり持っていかれてしまう設定なのでカットされてましたね。コミックはその衝撃的な事実が彼を大きく変えていましたし。弱ったローガンが頭のそろそろやられているチャールズを介護しているという設定は良いものだと思います。あのチャールズは「帝国の逆襲」でのヨーダみたいな感覚でしたね。ただ、彼みたいに相手を試しているのではなく、薬の副作用や病気そのもののせいで感情が剥き出しになっていたのは心が痛みます。今までは他人を広い心で受け入れる頼れる先生でしたから、、。

ミュータント絶滅が囁かれている中での新生ミュータントの発見というプロットは「メサイア」と呼ばれる一連のシリーズに近いものがあります。こちらも翻訳版の出ているX-Menのクロスオーバーなのですが、ミュータント誕生率減少の危機の中生まれたホープという少女と未来戦士・ケーブルの逃走劇が描かれています。この二人もケーブルが赤ん坊のホープを時間軸を転々としながら立派な少女として育てあげる、今回のローガンとローラのような間柄をしています。フェニックス・フォースやアベンジャーズvsX-MENと言った様々な後に絡み合ってくるかなり面白いお話なので、現在は恐らく廃刊となっていますが、メルカリ等で出回っていると思うので是非読んでみてください、、。

アダマンチウムの毒素故に弱体化したウルヴァリンですが「デス・オブ・ウルヴァリン」と言ったこれまた翻訳版の出ているコミック作品に似た設定のお話があり、こちらもヒーリング・ファクターの効果が薄れアダマンチウムが体に毒となっているとして描かれています。こちらのコミックでの死はかなり軽いもんで、少し経ったらすぐ復活します。ジーンもスパイダーマンもキャプテン・アメリカも皆死にましたが皆戻ってきました。所謂恒例行事です笑。ですが今回はローガン役のヒュー・ジャックマンの引退宣言と共に公開。それはそれは次を期待出来ない終わり方でした。です!が!2024年7月、なんと「デッドプール&ウルヴァリン」としてヒューのローガンがカムバック!! まさかの復活です。また良い爪痕残してくださいね。

車でノースダコタに向かっている時、ローラがローガンを寝かせた後に自分で運転しようとするんですけど、車に座ると何だか座高が高く見えたんですよね。なんでかなと思って巻き戻してみると、車に乗る前にローラは運転席に載ってあったローガンの足を降ろすんですけど、その時に彼の右足だけ残ったままになってたんですよね。そしたらそのまま座ってて、恐らく彼の足の上に載ってるという、、笑。

2024's 27th

〜スコアの目安〜
★ - :鑑賞途中
★3.0:面白くない
★3.7:まあまあ面白い
★4.0:面白い
★4.3:めちゃ面白い
★5.0:好き
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