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LOGAN ローガンのshioのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
4.6
「人の生き方は決まってる 変えられない。人を殺した者は元には戻れない。正しくても人殺しの烙印を押される。帰ってママにもう大丈夫と伝えろ。谷から銃は消えた。」

デッドプール前復習

1つのキャラクターの最期を描く作品としては
エンドゲームに並ぶ作品。

【ダフネ・キーン】
とにかくローラ役の子の演技が素晴らしい。
言葉をほとんど発さないキャラという制限の中で
表情や所作、声色だけで
喜怒哀楽を見事に表現し切った。

急に捲し立てるように喋ったり
叫びながら爪を突き刺したり
最期の泣きの演技は
若干12歳とは思えません。
可愛くて綺麗でカッコいい。
デッドプールに出てきて欲しいな。


【R15】
戦闘シーンの切断、銃撃、刺突、破裂、出血が
しっかりと描かれている。
それも子供でやらせてるからすごい。
ただグロいとか生々しいとかというだけでなく
倫理的にも暴力的な表現。

なによりX-24の殺し方が
ローラが放ったアダマンチウムによる"銃殺"

あんなに強くて凶暴な彼女の
銃殺した直後の"小ささ"がとても印象的でした。
レオンもそうだけど、「銃と少女」は
どうしてこうも悲しき画になるのか…

冒頭に記載した西部劇のセリフにも繋がってますね。
※1953年にアメリカで作られた西部劇『シェーン』いつか見てみたい。


【苦しむローガンの姿】
ミュータントの力が失われている世界。
ウルヴァリンの再生能力も失われつつ
視力や運動神経も低下している。

長い間苦痛を背負い
多くの人を失ったローガン自身。

不老という呪縛から解放されるという意味で
彼自身、最期を望んでいた。
そんな中で現れた生きる理由。

どんなに痛くとも苦しくとも
進まなければいけない
ローガンの姿がそこにはありました。

同じように再生能力消失展開があった
SAMURAIとは重みが違う。


チャールズを埋葬した時の演技も素晴らしかった。
「水があるし…」→ローラが手を繋ぐ→「水があるし…」
と2回繰り返す。
この「これまで大切な人を失ってきた彼」「最後の仲間を失った彼」「辛い時に寄り添ってきた娘かもしれない存在」「ホントはそれを拒絶したい動揺」が入り混じった演技。
すごい演技と台本です。


【見る人によって変わる視点】
親として、父として、ヒーローとして、
要介護者の親を持つ人として…
ローガンをどう見ているかによって
感じることが変わる作品だった。

ヒロアカで
「余計なお世話ってのはヒーローの本質」
というセリフがあるが
最期までローガンは"ヒーロー"だったし
"ローガン"だった。

時間が経ったらまた見たい作品。
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