X-MENシリーズの中で、俺は2番目に好き。(一番は『X-MEN: First Class』)
ほんと。傑作だと思う。
今までの『映画』としてのウルヴァリンの活躍を、
『実際にあった出来事だとしたら?』っていう視点で見ることもできる。
めちゃ陰惨で血みどろ。
ウルヴァリンの絶望も凄まじい。
劇中のセリフ、
『現実はコミックとは違うんだ』っていうのは、
今までのウルヴァリンの軌跡を、『娯楽』として見ていた観客にも当てはまる。
確かに、鑑賞しながら考えていた。
『Guardians of the Galaxy Vol.2面白かったけど、よく考えたら、普通に戦ったらウルヴァリンくらい血だらけになるはずだよな…。』って。
そう、まさに俺は『現実はコミックとは違う』ということを、認識させられていた。
今回R15指定。
意図して取得したそうだ。
R15にすることで、
頻繁に派手なシーンを入れる必要が無くなり、
抽象的な会話が可能になるそうだ。
今回R15にしたのは正解だと思う。
前述した『現実は陰惨』の表現も出来るし、
チャールズが民家で告白する『罪』のような、観客には詳細が分からない、曖昧なシーンも撮影可能になるからだ。
今回、なぜミュータントがいないのか、など物語の核になる部分の説明はほとんどない。
これもR15でなければ不可能な演出だ。
自動運転トラックなどが、さり気なく出てくる演出も良かった。
登場人物は少なく、世界観も狭い。
だが、だからこそ、
他のアメコミ映画にはない現実感があるのだ。
ハードボイルドで抽象的な映画。
だが、見方さえ理解してしまえば、こんなに素晴らしい映画はない。
演技も素晴らしく、
ローラ役ダフネキーンは本当に純粋で可愛く、そして恐ろしい。
ウルヴァリン役ヒュージャックマンも、
特に民家で起きる惨劇の、絶望を、表情だけで表現した演技には鳥肌が立った。
全てを失ったはずのウルヴァリンに、残されたものはなにか。
最期のウルヴァリンのセリフは、涙なしには語れません。
きっと、ビッグバジェットのド派手なアメコミ映画の中に埋もれていくのだろうけど、
こういうのを『隠れた名作』っていうのでしょうね。
生涯、大切にしたい一作でした。