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劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.5
平成ライダー、8人目、仮面ライダー電王。
佐藤健。今や、大人気の俳優、彼が変身する仮面ライダー電王。

時空を走り回る列車、“電ライナー”に乗って、時間の旅をするかのような物語。

イマジンという、人と契約し、願いを叶え、その願いのパワーで人を乗っ取る存在がこのシリーズの象徴。

4人のイマジン、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスと共に、人の願いを悪用し、過去に戻って悪事を働くイマジンを阻止する。

この佐藤健、野上良太郎が、なかなかのナヨナヨ系で、今人がいなかったらどうしようもない男なのだが、優しさや人を思いやる心の強さは唯一無二。

そんな彼だからこそ、イマジンたちは彼と過ごし、彼の想いを尊重し、共に戦おうとする。

この電王に出てくるハナちゃん、白鳥百合子がすごく可愛くて素敵だったんだけど、色々あって途中で降板してしまう。

当時も何で急にいなくなったのか理解できず、とても悲しかったが、この劇場版で再び観れて感無量。

強くて可愛らしくて、良太郎を引っ張りながら、他のイマジンが好き勝手やるもんだから、真面目に話を強引に進めるヒロイン、最高。

ナヨナヨしてるけど、今人が乗り移るとそれっぽくなる野上良太郎。
イマジンごとにキャラが変わり、いきなりすごい演技の幅を求められて佐藤健も大変だったに違いない。

このシリーズは時を行き来するので、その時を行き来すること自体が狙われる。今回もそれ。

牙王なる悪のライダーが、神の線路を走って、時を消すのも自由自在な列車を蘇らせて我が物にしようと企む。

それと並行して記憶を失った野上良太郎が、子供の自分と一緒に親の記憶を辿る。

時を回顧し、忘れていてもそれが無駄な記憶だったりどうでも良い記憶ではないことをセンチメンタルに伝えてくる。

時間の流れのかけがえのなさがとても凝縮されている。

この電王はこれまでのライダーに比べて、主人公が格段に弱く、普通さが溢れる。
その点も等身大で共感しやすく、だからこそ人の取り留めのない幸せを幸せだとして守ろうとする姿に感銘を受ける。

ここから先も電王は何度と他の劇場版に出てくるのは、このキャラの強さと、佐藤健のカッコ良さと、この設定と、このひたむきな姿がそうさせているのだと思う。
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