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バイバイマンのミスターのレビュー・感想・評価

バイバイマン(2016年製作の映画)
3.5
空き家に引っ越した若者たちが、前の住人が残した家具に書かれた名前を目にした時から、謎の存在に脅かされる話。
ホラーというよりは世にも奇妙な話という印象。恐怖描写はもちろんあるが、むしろこの映画が主題にしているのは謎解きと、幻覚幻聴を駆使したミスリード、そして実質無敵であるバイバイマンにどのようにして対抗するかという点。しかし救いもなく、最後は主人公は家族の幸せのために自己犠牲を強いられる。
バイバイマンの正体が少しでも言及されてほしかったというのが個人的な感想。呪いに触れたものを抹殺するという設定は多くあるが、このバイバイマンの独自性は呪いが自己矛盾していること。名前を知った相手を無条件で死なせてしまうなら、結局バイバイマンという名前はいつかは後世に伝わらなくなるはず。それはバイバイマンの性質上、彼にとっては死と変わらない。なのになぜ彼は自身を殺すような呪いを連鎖させるのか。むしろ何らかの呪いに取り込まれているのはバイバイマン自身なのではないか?そんな気すらしてきてしまう。続編があればいいが期待薄か…
怪現象に立ち向かう若者の奮闘とその失敗を虚実混じり合う映像で描く良作ホラー。
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