ILLminoruvsky

サバービコン 仮面を被った街のILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

3.5
原題『Suburbicon』(2017)

監督 : ジョージ・クルーニー
脚本 : コーエン兄弟、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
撮影 : ロバート・エルスウィット
編集 : スティーヴン・ミリオン
出演 : マット・デイモン、ジュリアン・ムーア、ノア・ジュープ、オスカー・アイザック、他

1950年代、アメリカンドリームを絵に描いたような新興住宅地サバービコンで巻き起こる騒動の顛末を描いたブラックコメディ・スリラー映画。

面白かったです。

コーエン兄弟の『ファーゴ』を彷彿とさせる事態が思いがけない方向に展開するスリラー作品でロバート・エルスウィットの安定した確かな仕事っぷりが素晴らしい撮影でクラシカルなアメリカンスリラー風味を味わえ、コーエン兄弟らしいストーリーも非常に楽しめました。
マット・デイモン、ジュリアン・ムーアをはじめ役者陣もコーエンワールドにノッて演技しており良かったです。

しかし、

ペンシルベニア州 レヴィットタウンで実際に起きた、アフリカ系アメリカ人のマイヤーズ夫婦の事件をモチーフにした「人種差別」の要素を扱ったシーンは、レイシスト達がかなり胸糞でシーンとしてはしっかりメッセージ性があり良かったと思うのですが、
いかんせん、そのマイヤーズ家エピソードが本筋のロッジ家で繰り広げられるスリラー展開部分に全く機能してなくて、浮きまくってる印象が強く、取ってつけたかのように人種差別要素を取り入れて来てる感を凄く感じさせるのは非常に勿体ないなと思いました。
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