みかん

ハクソー・リッジのみかんのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.0
この映画は成功したと思いました。
恥ずかしながら、映画の内容については事前情報も特に得ず、物語の主要舞台も出来事も全て知りませんでした。
でも調べず知らずに観たからこそ発見が多く、見ごたえがあった部分もあります。

実話を元にした戦争映画ですが、アメリカ的なヒーロー万歳という内容ではなく思います。
同じ内容でも20年前ならそうなっていたかもしれません。
端的な側面で判断すると裏にある大事な部分を見落とす。
それを汲み取れるか。

映画「アメリカンスナイパー」風にいえば「アメリカンメディック」になるかと思われる本作は、
・主役の役務が具体的にどういう位置付けなのかを明瞭にしている
・主役自身の背景(日常)を伝え、他人事に感じさせない
・戦争の現場を十分に見せ、兵士の環境の重さを感じる
・兵士やその仲間という団体に対する善意の理解と、軍という組織の必要性と短所と時代と共に変化している点への理解
といった映像を通して、我々に知っていてほしいことをわかりやすく伝えてくれます。

前半、中盤、後半、まったく違う雰囲気です。
しかし「一貫性がある」のが今作の特徴であると思います。
また、ヒロイン含め役者のルックスも作品をひっぱってくれました。

私は戦争を経験せずに生きていますが、戦争がどういうものなのか、色々な側面から知っていないと材料不足で賛否しにくい。
そして賛否ではなく、どうあるべきかどう生きるのか、自分の中のプライドは邪魔をするとも前に進ませるともいえること。
そういう葛藤ではない信念を感じさせた良作でした。
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