『ライ麦畑でつかまえて』を読んだ時、ただの青春小説のようにも何かが違うようにも感じた。ほかのものにはない強さというかうるささというか。その正体に一歩近づけたような気がした。
サリンジャーはホールデンに魅せられて魅入られていたんだろうな。
作家の声、というのが作品中のキーワードになっていたけど、この映画においては音楽が一種の声のようだった。
音楽がシーンをつなぎ、音楽がサリンジャーの感情を暗示する。
戦争の経験と作家人生が切り離せないもので、それが1つのカットを2回繰り返し使うことで表されていたように思う。サリンジャーにとって戦争と創作が表裏一体だったのかも。