えむえすぷらす

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

5.0
1939年サリンジャーが大学創作コースに入って小説家を目指すところから始まり、第二次世界大戦で陸軍兵としてノルマンディ上陸作戦から転戦、戦後復員して長編小説「ライ麦畑でつかまえて」を書いた後に隠遁生活を選ぶまでを描く。

学生新聞向けインタビューを受けたサリンジャー。妻が女子学生というか若い子が好きじゃないのと疑いの目を向けたシーンはサリンジャーのその後について踏まえたシーンとなっていて史実要素を結びつける工夫が為されていていい。

恩師役はケヴィン・スペイシー。セクシャルハラスメント事案の結果、映画・テレビ出演はもはやありえない人ですが、本作ではカッコいい姿から最後には弟子に縋ろうとした姿が描かれておりどうしてもハラスメント事案の事は思い出さずにいられなかった。これだけの演技をできる人があのような事案で人を傷付けた事は大変残念。ファンへの裏切りでもありました。

サリンジャーの生前の出版は1965年に出した作品が最後ですが、劇中の通り書き続けていたようて彼の子供二人が遺稿を出版するが量が多く時間が掛かるという発表をしています。この作品、脚色控えめに彼に起きた出来事を丁寧に描いている。