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フェート/双生児のtigerpantsのレビュー・感想・評価

フェート/双生児(2007年製作の映画)
3.1
タイ産ホラー映画の傑作『女神の継承』のバンジョン・ピサンタナクーン監督の過去作をアマプラで。

病気の母親を訪ねて、恋⼈のウィーと共に韓国からタイへと戻ったピム。彼⼥にはかつて、結合双⽣児で分離⼿術後に死亡した双⼦の姉妹プロイがいた。タイに戻ったピムの⽬に、死んだプロイの〝姿〟が⾒えるように……。ウィーの友人の精神科医に診てもらうが、症状は一向に好転しない。やがてウィーは、ピムとその母親が〝何か〟を隠している気配に勘づくのだが……

「シャム双生児の片方に恋をした男性」が招いた残劇……ってまとめは、ネタバレにはなりませんよね? 

何やら『フリークス』から『悪魔のシスター』を経て『戦慄の絆』あたりに連なる〝双生児をめぐる悲劇〟の系譜に属するプロット展開は、まずまずの想定範囲内。

とはいえ「結合双⽣児」をめぐる(フリークス大好き観客の扇情に応えた)イメージ描写は、なかなかのしつこさがあったし、いたずらにジャンプスケアを連発する演出の「品のなさ」も、逆説的に新鮮だったり。

筋書きの途中では、思わぬ「どんでん返し」もあり、一筋縄ではいかないものの、「そもそも死んだプロイの〝幽霊〟姿って、何だったの?」みたい本質的な謎は(件の「どんでん返し」のせいもあって)よくわからなくなってしまうのだが、細かい整合性よりも「不気味な絵作り」を優先させた……ってこと?

仏教とか墓地とか、信心〜サイキックなホラーなのかと思いきや、サイコパス的ヒトコワものに収斂してゆく話も、やや「どうかしら?」と思わざるを得ない。さらには「洋館」めいた舞台設定から、タイ感があまりしなかったのは〝あえて〟なのか〝たまたま〟なのか?(そういう意味でも『女神の継承』は、秀逸だった!)。

あと、ついでに……可愛いワンチャンが酷い目に遭う映画。
とにかくワンコ好きは、鑑賞厳禁!🐶
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