憧れの美術評論家（牧村耕次）に見初められ、山梨の屋敷に招待された女子大生（山口真里）が、SM凌辱の世界を垣間見ていく。未知なる情欲の開花を描いている、オーピー配給のピンク映画。

"主従関係に歓びを得る"という、SM倒錯のスタンダードを落とし込んでいる作品。伊藤晴雨をモデルにしたような美術評論家が、俗物根性をもつ人間に対して凌辱・折檻を働いていく。服従の快楽に溺れるバイセクシャルとして登場するところが面白い。

登場する凌辱行為は、緊縛、ディルド、鞭打ち、放尿、蝋燭責めなど。挿入した仏像から滴る愛液で蝋燭の火を消すプレイと、股間から放たれた聖水を菊の花にぶっかけて風流を語るプレイが印象鮮烈。天井から吊るしたテクニカルな緊縛も素晴らしい。

全体的に、女性調教師（紅蘭）とM嬢（持田さつき）のレズ・プレイを鑑賞するための見世物映画という印象。凡百の服従路線へと進むのではなく、「俗物でいることも大事」という着地点を見せるところが最大の醍醐味となる。