グラビティボルト

PARKS パークスのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

PARKS パークス(2016年製作の映画)
3.3
橋本愛と永野芽郁が出逢う場面で、
元彼との写真が風で飛ぶ、視線が窓外へ、橋本愛を見上げる永野芽郁と目が合う、永野芽郁の持つモノクロ写真と構図が合致するという流れは見事だし、役者を兎に角動かす才覚は在ると思うが、ハネきらない惜しい映画。

ただし、オシャレヤリチン&サブカルの臭気がとことん合わなかった「ジオラマボーイ〜」よりは数倍面白かった。
延々と公園を彷徨う石橋静河と森岡龍の幽霊は、昇天するでも消えるでも無く、ただ現在の人々と交差していく存在として扱われている。
吉祥寺、井の頭公園という如何にもオシャレなロケーションで最終的に文化を取り沙汰するのではなく、「そこに居た人々」を活写して終わらせる辺りは好感触だった。
ド頭の永野芽郁が電車から公園の橋本愛を視るショットも「人を認識する」ショットだ。

ケンカした後に橋本愛が永野芽郁を追いかける件、吉祥寺音楽フェスより遥かにマシとは言え若干恥ずかしいミュージカルが展開されたあと、
時制も感情も全て混沌とした二人が
再び向き合う正面切り返し、これは格好良かった。確かに何らかの情が伝わった確信がある。
尺も長いし、染谷将太はかなり鬱陶しい人物像だったり、恥ずかしい部分は沢山あるが、同時に若々しい作家の映画なんだと思う。
実施「違国日記」はどうなるか。