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鋼の錬金術師のMtSNOWのレビュー・感想・評価

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
2.9
淡い期待を儚く砕く映画。

原作を、なんとかそれっぽくしようとしてるのは感じられた。
アルフォンスの鎧や、エドのコートなんか、特に良かったと思う。
マスタング大佐も、個人的にはかなりイケてたんじゃないかなって感じてる。
序盤には違和感あっても、中盤にはそれなりに見られる感じにはなってた。
中盤までは。

いかんせん物語が駆け足ぎみで、どうにか継ぎ合わせていたのが終盤に崩れ去った感じ。
棒立ちの兵士と、とことこ歩くグラトニーがそれに拍車をかける。
決戦までの強敵感がいまいち演出できてないせいで、あっホムンクルス簡単に倒せるのね、と感じてしまう。
なにか壮大なことを企んでたようだが、あーよかった。
うーん、イマイチ、物語の締めとして弱い。

エドがただのガキにしか見えないのが辛い。
「地獄ならとうに見た」なんて、その最たるものかな。まるで自分がこの世の不幸をしょいこんだように言って。
アルに言わせれば今が生き地獄ではないのか?
自分がアルを直す、自分に任せておけ……自分に、自分に。
物語を通して、ずっと自分自分だったエドが、決して誰かに頼るようにならない、成長譚にならなかったのが実に不満。
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