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チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話のranoooのレビュー・感想・評価

4.0
昨年映画館で予告編を観たときから「これは観たい!」と思っていた作品。

前半はほんとうにしんどかった。笑わせようとしてくるギャグの全てが本当に寒々しく、特に天海祐希演じる鬼コーチはきつく、ああ、きつい…つらい…とここで心が折れかける。

しかし中盤、山崎紘菜、広瀬すず、中条あやみが街角の閉店した店のガラスに姿を映してダンスを踊りだすシーンでグッと心を掴まれた。バラバラになりかけたチアダンス部が再び一つの目的に向かって結集していく、その契機となるシーンだが、ダンスを踊ることでそれが伝わってくる、シンプルで感動的な見事なシーンだった。特に中条あやみの所作の美しさが際立っていて、このあたりからポロポロ涙がこぼれだす。

ラストはほぼドキュメンタリー。全米大会優勝を勝ち取った生徒たちが一斉に天海祐希演じるコーチに駆け寄ってくるシーンは明らかに演技を超えていて、明らかに相当量の練習をこなしたと思われるダンスシーンを経てのそれは、割ともう涙腺決壊ものだった。天海祐希が泣きじゃくって下を向く生徒の頭上越しに共に生徒たちを育ててきたダンスコーチとさりげなく握手する演出も素晴らしい。

これは完全に勝手な憶測だけど、映画全体のつくりに『ちはやふる前編』を感じるところがあって、前半つまらないギャグの連打でハードルを下げさせておいて、後半でぐぐっと締めにかかるという手法がなんか流行りだしているんじゃないの、とちょっとそれは勘弁してもらいたいと思う。
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