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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのrensaurusのレビュー・感想・評価

3.9
作り込まれていてしっかり面白いスピンオフ。新たなる希望のドタバタ冒険譚のような雰囲気と、痛快なビークルアクションが楽しめる。

ハン・ソロもランドも違う俳優なのに確かにハン・ソロとランドらしく演じられており、ほんの少しの違和感を飲み込めば存分に楽しめる。

今作では、ハン・ソロの人間性を形成した師弟関係や、「ケッセル・ランを12パーセク」という謎の伝説、ミレニアム・ファルコンを手に入れるに至ったランドとのいざこざ、そしてチューバッカとの出会いなどが描かれ、シリーズファンは納得の面白さだ。

特にハンとベケットとの師弟関係では、「誰のことも信用するな」「やられる前にやれ」という教えを受け、ハン・ソロがならず者としてのキャラを確立する過程が見て取れる。また、ヒロインのキーラとのやりとりにおいても、「荒くれ者だけどいい人」と言われるなど、ハンの根本は純粋な良心であることが伺える。

今作ならではのポイントは、ランドがドロイドと恋愛関係にあるということだろう。ドロイドが重要な役割を果たす今シリーズにおいて、無機物と有機物との恋愛が描かれるのはありそうでなかったし、ドロイドにも権利はあると主張するL3のキャラもドロイドの知能や意志を問うなど、ありがた迷惑さや胡散臭さを感じつつも、意識が高く革新的だ。

細かなデザインやビジュアルも素晴らしい手の込んだ作品で、スターウォーズシリーズのスピンオフとしては及第点を余裕を持って越すような良い出来の映画である。話題性が乏しいことが悔やまれる。
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