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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのnetfilmsのレビュー・感想・評価

3.7
 法のない時代、青みがかった荒涼とした惑星には自由や希望などない。惑星コレリアに孤児として生を受けたハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)は、幼馴染のキーラ(エミリア・クラーク)と共に自由への逃避行を試みる。時代は共和国が滅び、パルパティーンがダーク・シディアス卿として姿を現し、ジェダイの騎士たちは散りじりに地下の世界に潜っていた。ハン・ソロはそんな暗黒時代に、レディ・プロキシマ(声=リンダ・ハント)に奴隷のようにこき使われていた。彼はコアキシウムの取引というこの界隈で最も汚い仕事に手を付けねばならず、彼自身の自由への渇望を助長した。コアキシウムはこの後作られる様々な宇宙船に使われた宇宙船の動力源となる物質で、僅かな量でも大金に変わる。まずレディ・プロキシマの元から逃避行を試みたハンは、帝国軍が厳重に管理する国境線の税関をくぐり抜け、愛するキーラと別の惑星への逃亡を試みるが、その希望は脆くも崩れ去る。だがハンは絶望と引き換えに、帝国軍のパイロットに志願する。

 『スター・ウォーズ』トリロジー・シリーズのスピン・オフ第二弾は、凄腕のパイロットに憧れたハン・ソロが、いかにして銀河のならず者(アウトロー)になったのかを丹念に描く。懐から出したサーマル・デトネーターの強烈な破壊力、奇跡のようなスピーダーのハンドル捌き、パイロット志願兵と呼べないようなお粗末な現状。そんなくすぶり続ける生活の中でハンは、二丁のブラスターを巧みに用いるトバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)をメンターのように仰ぐようになる。ベケットのアウトロー妻であるヴァル(タンディ・ニュートン)はハンの一味への加入を頑なに反対するが、ベケットはハンの姿になぜか未来を見ていた。熟練の古老ローレンス・カスダンの脚本はまるで西部劇のように一匹狼の無法者だった男たちを友情で繋ぐ。だがクランク・アップ3週間前に突如、代打に指名されたロン・ハワードの苦戦は言うまでもない。敵の姿があまりはっきりと見えないまま、やるべきこと=ミッションだけが積み重なる展開に自慢の演出が引っ張られ、抑揚のないアクションばかりが続く。当初からハワードが指名されていれば、こうはならなかっただろう。それと共に今作には、後に旧トリロジーや現トリロジー・シリーズでコンビを組むこととなるチューバッカ通称チューイ(ヨーナス・スオタモ)や、腐れ縁の友情を築くランド・カルリジアン(ドナルド・グローヴァー)との若き日のハンの出会いが素描されている。
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