かたゆき

生きうつしのプリマのかたゆきのレビュー・感想・評価

生きうつしのプリマ(2015年製作の映画)
2.5
ドイツで歌手として活動するもののいまいちパッとしない日々を過ごすゾフィ。
酒場での専属歌手の契約も切られ、恋人ともマンネリ気味、生活のために続けているウエディング・プランナーも他人ののろけ話を延々聞かされるストレスフルな毎日。
そんなある日、彼女は父親から呼び出されある人物の写真を見せられる。
その人物の名は、カタリーナ。
NYでオペラ歌手として活躍する有名な女性だった。
一見、自分とは何の関係もなさそうに見えるその人だが、彼女の顔を見たゾフィは衝撃を受ける。
一年前に死んだ自分の母親と全く瓜二つなのだ。
「どうだ、まるで双子だろう。お願いだ、今すぐ真相を確かめてくれ」
父親から半ば強制的にそのカタリーナへと会いに行くように命じられたゾフィは、恋人とも別れ、NYのメトロポリタンへと赴く。
何とかしてカタリーナと会う機会を得たゾフィ、見れば見るほど彼女は自分の母親そのものだった――。
果たして彼女は何者なのか?
突如として発見された、自分の母親とそっくりなプリマを巡って翻弄される親子のドラマを淡々と描いたヒューマン・ミステリー。

監督は、かつて歴史の闇に埋もれていた哲学者の苦悩を描いた佳品『ハンナ・アーレント』を撮ったマルガレーテ・フォン・トロッタ。
というわけでけっこう期待して今回鑑賞してみました。
うーん、前作に続き抑えた演出と全体に漂う品のいい雰囲気には好感が持てるものの、僕はいまいち嵌まらなかったですね、これ。
なんか脚本がいささか強引に過ぎるような気が。
実の母親と瓜二つということはやはり一卵性双生児なんだろうなと思いながら見ていたのですが、実際の真相はそうじゃなかった。
その驚きの真相を知った僕の率直な感想は、「え、それでそこまで似る?それに、主人公もただ似ているというだけでそこまでするかなぁ」というものでした。
もう一つくらいゾフィの行動にしかるべき理由があっても良かったのでは。
ここらへん、もうちょっと説得力を持たせてほしかった。
ミステリアスで品のいい雰囲気は良かっただけに惜しい!
かたゆき

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