ゾロ

アルジェの戦いのゾロのレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
3.5
終わりが見えない戦争が二つも現在進行中

今年は、更に多くの戦争に関する映画を
鑑賞したいと思ってます
そこで、先ず現在の知見をメモ
本作のレビューは、後半に記します


何故、戦争が起こるのか?
世界大戦から人々は何を学んだのか?

戦時下になると、人を殺す事は正義となり
大量虐殺も英雄になりうる

戦争が起こると悲惨で凄惨な世界を見て嘆く
でも、それが一面しか見ていない事を知る事
事実をちゃんと見極められているか?
特にフェイクニュースに騙されないように…

▪️世界から戦争がなくならない
他者との差別化と言うと嫌悪感を抱く自己主張
だけど『私はあなたとは違う』という心意は
【他者の否定】だと認識すべき
国家の誕生は他者を否定した結果であり
国民国家として強国になる為にこのマインドは
内外から強要、洗脳、強化されてしまう

フランスのミッテラン大統領が、残した言葉

 【主権国家、それは戦争である】

▪️テロやクーデターが起きた
何を感じるか?
そこに至る経緯を知る事
抑圧…虐げられた歴史がある事
声の大きさに騙されない事
事実は一つでも見る角度で心意はそれぞれ
真実も人それぞれにあると知る事





本作はフォローしてる方のレビューで
クリップしたまま、観れていなかった映画

1954年〜1962年
フランスの支配下のあるアルジェリアで
フランス軍と抵抗勢力の戦いが描かれている

ドキュメンタリーのような映像だが
当時の状況が詳細に描かれている
更に、記録映像を用いて無い事に驚く…

創作と違い完全無欠の主人公がいないから
抵抗勢力の人々の緊迫感が凄い

特に爆弾を仕掛けにいく時の女性三人

彼女たちが仕掛ける現場には
自由を謳歌する多くの人々が居る
周囲に警戒の視線を走らせると赤ちゃんも…

躊躇するのかと思ったが、意を返さない
そこに、彼女達の並々ならない決意と主張
逼迫感、絶望感、終末感が感じとれる

対するフランス軍中尉のメディアに
対する言葉も印象的

ここでの戦い(拷問)を止める事を
フランスは望んでいるのか?

彼等も帝国主義、植民地政策という国家間の
競争に負けない為の統治であり任務について
迷っているからこその言葉だったように感じる


抵抗勢力との戦いは圧倒的戦力により
フランス軍に軍配が上がるが
革命の炎は簡単には、消えない

国際世論に変化もあったであろう2年後
誰かがあげた声では無い…という説明から
武器を持たない圧倒的な人数の
アルジェリア人達が立ち上がる
抑圧に耐えかね自由を求める彼等は
暴行を受けても、銃撃されても、
止まらない

ラスト、砂煙の奥から
強く揺るがない決意を持った彼等が現れる

序盤から中盤て緊迫感を煽っていた
太鼓のドンドンというBGMは高揚に変わった



本作は植民地のアルジェリア目線であるが
アジアで植民地にされなかったのは
日本とタイだけ、多くの国が経験している
植民地の歴史、ましてや日本は植民地を
持った側である事を認識すべき
ゾロ

ゾロ