ガリガリ亭カリカリ

アルジェの戦いのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
4.5
ポンテコルヴォが前作『ゼロ地帯』への批判(スーザン・ストラスバーグが有刺鉄線に絡まって死ぬシーン、ホロコーストにおける死を美として表現してはならないbyリヴェット)を受けて完全ドキュメンタリー形式で撮った戦争映画。
ラストでガチ大暴動映像が挿入されるのがアクチュアリティであり力強すぎる。ラストの街頭抗議の先に"現実"があり"未来"がある。

アルジェリア民族解放戦線(FLM)壊滅作戦の指揮官となるマチュー中佐が悪役として強い。いや、サングラス姿が悪役っぽいだけで、厳密にはそういったデフォルメはされてないけど。頭脳明晰、冷静に主人公たちを徹底的に追い詰める、この人なりの正義という名の恐怖。
でも「逮捕しうる状況を合法的に作れ」なんて、悪いやつしか言わない台詞である。

最終的には民衆を信じて終わった映画であり、民衆の勝利を映して続く映画である。
今こそ観るべき映画な気がします。