Osamu

アルジェの戦いのOsamuのレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
4.0
1954年から8年間続いたアルジェリア戦争における闘いの物語。

アルジェリアを130年間支配したフランス。そのフランスから独立しようと立ち上がった民族解放戦線(FLN)がゲリラ活動を行い、それをフランス陸軍・空挺部隊が捕らえようとしますが、どちらにも感情移入できません。スクリーンに映される行為を事実として受け止めるのみ。FLNメンバーが拷問を受けても、強い怒りの感情は押し寄せて来ません。

それはそうですよね。いくら抑圧されているからと言って、市民を爆死させるテロ行為に賛同できるわけがありません。

カフェで爆死した市民に自分を見てしまうのです。

感情が高ぶったのはラスト。
本当の主人公が最後に出てきたような感覚を味わいました。

舞台となったアルジェリアのカスパは海岸から急な丘にせり上がる地形なのでしょうか。坂や路地の階段のカットが多数使われています。吹き抜けの2階、3階から下を見下ろす構図、逆に見上げる構図のカットと共にこの作品を強く印象付けています。
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