タッド

アルジェの戦いのタッドのネタバレレビュー・内容・結末

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

マチュー中佐が言っていたサナダムシは、頭を潰せば消えるなんてのは甘い考えであったことは今現在の世界の状況が証明している。組織の名前や場所を変えながらもこれからも存在し続けるだろう。次々に街中で殺される警官たち(この様子を淡々と見せていくのが素晴らしい)の報復として警察署長が乗った車でカスバに爆弾を仕掛けにいき、爆破しているのは頭を抱えてしまうよ。その報復に今度は女性たちを爆弾入りのカバンをもたせて、酒場やカフェ、空港で爆弾テロをさせている。彼女たちが準備を始める時流れだす音楽はその後も度々使われるが印象残る音楽だ。アルフォンソ・キュアロンの「トゥモローワールド」のテロシーンにも影響を与えているというが、今見ても強烈だ。個人的に特に衝撃的なのはワゴン車の中から町を歩く人々を乱射して弾が切れると車ごと人々に突っ込んでいるシーン。今年もそんなテロがあったが、歴史は繰り返されるのか・・・。競馬場の爆弾テロの後、そこで働くアラブ系の小さな子供が「アラブのネズミが!お前も仲間だろう。」と大人たちに寄ってたかって袋叩きにされているシーンもキツイ。他の映画でも度々見かけるが、女性たちが集団でいる時に上げる叫び声は耳に残る音。これが夜にも聞こえているというのは異様な空気なんだろうな。ジッロ・ポンテコルヴォは、「ゼロ地帯」を見るのがなかなか難しいが、劇場で公開してほしい。
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