このレビューはネタバレを含みます
暴力で勝利はない。
民衆が立ち上がる事によって勝利する。
1954年から1962年にかけて行われたフランスの支配に対するアルジェリアの独立戦争を描いた作品です。
ビートを刻む独特の音楽などサントラはエンニオ・モリコーネが手がけてます。
キャストはほとんど素人。
アルジェリア人8万人が撮影に協力しています。
フランス映画を観ていると
アルジェリアの戦争に行ってて〜
というセリフを耳にしますがこの戦いです。
アルジェリア民族解放戦線とフランス軍との戦いは無差別爆弾テロ、拷問もいとわない暴力の応酬です。
アルジェリア民族解放戦線側はとてもよくできていて、1人が仲間を2人以上知らないシステムになってます。
なのでトップを知る人は限られた人になります。
フランス軍はしらみ潰しに敵を見つけては拷問して仲間の場所を吐かせ、見つけて吐かせの繰り返しで民族解放戦線のトップに近づいていきます。
民族解放戦線側も女性に爆弾を運ばせて
フランス人が多くいるカフェやディスコに置かせたり、
救急車を乗っ取り繁華街で銃の乱射をしたりと凄まじ有様です。
結局、民族解放戦線側は捕らえられるか殺されるかで消滅してしまいアルジェリアの独立は達成されずに終わってしまいます。
必死で民族の為に戦っていた姿は民間人の心に響き
2年後に見事フランスからの独立を勝ち取るのです。
暴力ではなく民衆の力で…
本作を観ながら今でも続いている爆弾テロを考えてしまいました。
犯人の中にアルジェリア系フランス人がいましたね。
同じような事が現代でも続いているのは皮肉です。
余談ですが、タランティーノは本作が大好きみたいで、イングロリアス・バスターズではサントラを始め大きく影響を受けているようですよ。