SatoshiFujiwara

アルジェの戦いのSatoshiFujiwaraのネタバレレビュー・内容・結末

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2015.03.16 DVD

史実、ドキュメンタリータッチ云々はとりあえず脇に置いて鑑賞した方が良いのではないか。「タッチ」はあくまでタッチなので別にいいと言えばいいんだけど。

やたらドラマティックなモリコーネの音楽であるとか(カッコいい)、美的なショットへの意志。例えば後半の連続する多数の解放軍の拷問シーンの描写、それを見て涙を流す初老の女性のクローズアップのモンタージュ。この女性は同一人物だが、映される被拷問者は多数いる。抽象的な感情移入を促すシーン。ここに流れる音楽はバッハ風のオルガンコラールで(映画冒頭にもバッハのマタイ受難曲が流れていた)、被拷問者の中には明らかにイエス・キリストの磔刑を思わせるポーズと構図があることから、殉教をポンテコルヴォが意識していたのは間違いない。映画としては面白いが、リヴェットが同じ監督の「ゼロ地帯」(未見です…)を猛烈に批判したのも分かるようなアルジェリア紛争の描き方ではある。思えばゴダールも「小さな兵隊」でアルジェリア紛争を間接的に描いたが、あくまで距離感が保たれていた。
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