伊藤チコ革命的cinema同盟

アルジェの戦いの伊藤チコ革命的cinema同盟のレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
3.0
45.
テロリズムの独善を感じた。無差別テロでフランス人とはいえ一般市民だし、そこにいるアルジェリア人も巻き込む活動はどうなんだろう。
アルジェリア民族解放戦線はカスバ地区と呼ばれるスラム?街で結成された組織だ。主人公はこそ泥だったけどもだんだんと信用され、終盤では重要な役割を果たす。革命の熱に踊る彼らと対決するのがマチュー中佐だ。実在の人物で、多くの紛争・戦争で生き残ってきた名将である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%A5
彼の戦略は素晴らしい。解放戦線主導のストライキが起こるのだけども、それに参加した人々はみな解放戦線に通じていることに気が付き、カズバ地区を包囲。検問を設置し、次々と怪しい連中を拘束し、解放戦線を追い詰めていく。
本作は対テロ戦争を映画いた作品として軍事関係の人も教材として用いているらしい。ドキュメンタリー的な手法、再現ドラマ的な感じでリアリティを求めた作品。
でもラストが急すぎるかな?解放戦線が壊滅してから数年後いきなり住民のデモが始まるんだけど、理由が知りたい。
でも、民衆が立ち上がった場面に解放戦線はいなくて、解放戦線が戦っている間、どっちかといえば住民側は陰でサポートしていた感じなのか強制されていたのか。
いずれにせよ、テロリズムはむなしい。