ゴン吉

忍びの国のゴン吉のレビュー・感想・評価

忍びの国(2017年製作の映画)
4.5
「のぼうの城」の和田竜の小説を原作として、「殿、利息でござる!」の中村義洋監督が映画化。
大野智が主演、石原さとみがヒロインを演じ、鈴木亮平や伊勢谷友介らが共演。 

小競り合いが続く伊賀の村。
一族の長の次男・十兵衛は戦いが好きで、兄の平兵衛(鈴木亮平)が止めるのもの聞かずに自ら進んで伊賀随一の忍びの無門(大野智)と1対1の勝負をして殺される。
父は次男である息子が殺されたのに全く意に介さない。
忍びの国では常日頃から小競り合いがあり、多くの者が簡単に死んでいく。
人を人とも思わぬ人でなしの集団で、虎狼の族と他国から呼ばれていた。
そんな一族に嫌気がさした平兵衛は、伊賀の村を出て、織田家に仕えることを決心する。
一方、無門は、安芸の国からさらってきた武家の娘(石原さとみ)と年に四十貫門を稼ぐ約束で夫婦となったが、その約束を果たせず、彼女から冷たくあしらわれて家にも入れてもらえない日々が続いていた.... 

戦国時代の伊賀11人衆と織田氏による天正伊賀の乱を、史実をもとに軽いノリとユーモアいっぱいで描いた楽しい作品で、様々な忍術も面白い。
クライマックスでは渾身の決斗もあり、アクション映画としても見ごたえがある。 
「わしは人として死ねる」
前半のコメディを交えた散漫な展開から、後半のヒューマンドラマに纏めていく構成も見事です。
ラストの風刺も今だからこそのテーマです!
ヒトは何のために生きるのか?
「ゼニよりも大切なものがこの世にあるはずだ」
そして今も彼らの子孫が我々の社会に潜んで暮らしている!
「母の顏はあまり覚えておりませぬが 父によるとたいそう美しく そして随分と 怖い人だったそうで」 

2023.3 BS12で鑑賞
2020.4 TBS-TVで鑑賞 
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