初めて観たアラビア語映画/パレスチナ映画。
パレスチナ自治区についてはイスラエルと対立し、毎回パレスチナ人が犠牲になってしまうということがもともと知識として頭に入っていたので観ていてすんなりと内容が入ってきたが、やはり政権の論争は少し分からず。
あらすじにたわいないおしゃべりと書いてあるが、ここに出てくる女性達はおしゃべりではなく言いたい放題だし隠すつもりもなく悪口も言う。これが当たり前のことのように流れていくからちょっとこれで良いのか？と思ってしまった。たぶん夫(男)の前では抑圧され虐げられる分、同じ｢女｣の前では全てをさらけ出すことができる唯一の方法なのだろうな。
美容室を切り盛りする、パレスチナ人の夫を持つロシア出身のクリスティンは客の垂れ流す不満にも動じない凛とした姿で強さを物語っていたし、他の客も自我はあり、それを辛辣ではあるがハッキリと物言うから、まあある意味強い。
映画としては全体として抽象的な内容で私には少々合わなかったが、それでもメッセージ性はあると感じた。
この美容室は女性がヒジャブを取り、髪を形造り、メイクをする場所。そうすることで男を寄せ付けず、女達の聖域として守られた場所だった。パレスチナという社会的に立場の弱い地域で、その中にいるさらに立場の弱い女性という人々の生き様がこの場所で見られること。それがこの映画の大きな見所だと思う。
