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アリータ:バトル・エンジェルのshihoのレビュー・感想・評価

3.4
バトルエンジェル・アリータちゃんが凄まじい戦闘能力で皆を救うスカッと気持ちいいアクションバトルなんやろうな!と思って観たらなんか違った(笑)

宇宙戦争後の鉄屑だらけのクズ町が舞台で、富裕層はその上の空中都市に住んでるんだけどこのクズ町はゴチャゴチャしてて治安が悪め。
体の部位を失って機械のパーツをつけてる人があちこちにいて、それを動かすテクノロジーもあって、中には全身サイボーグ人間もわりといて、夜中そういう人を襲って部品だけ奪って売っちゃう部品強盗がいたりする。

アリータちゃんは「上」から頭だけ落ちてきた300年前くらいのアンドロイドで、ワケありの博士(私こういうポジション好きよ、博士がいないと物語は始まらないのよ)が体をあげたら実は過去の失われたハイパーテクノロジーが搭載された戦闘用アンドロイドで徐々にその能力と過去の記憶が明らかになっていくよ!
あれ?こう書くとめっちゃ面白そうなのにね(笑)

どうにも話の展開がトロく、CGヒロインじっくり見せたいんかなぁとは思ったけどなんか要らん情報にすごく尺使ってた感じ。この感覚はあれだ、アバターに似てる。

あとこの世界、前述した通り改造人間がメッチャいる。一般人は体の一部なんだろうからいいんだけど、バトル用に特化した改造人間や賞金首ハンターは言わばもう人ではない…。人間の部位、首だけやんけ…。
多分CGのマシンの体に人間が演技した映像を首部分だけ切り取って合成してるんだけど、隠す事をなくゴリゴリの異形の体に生首はハッキリ言ってビジュアル的に不格好でダサい(笑)
生物学的に色んな疑問が浮かんでくるし戦闘でバラバラになって転がる姿は非常に滑稽。
超えてはいけないラインを余裕で超えてしまっている映画です。命ってなんだっけ…?ってなる。
なんか神が創りたもうた普通の人間がいかに美しいかと逆に思った。

アリータとヒューゴという純人間の青年の恋も、「やっぱりアンドロイドと言えど恋すると女の子は綺麗になるわよね」と思えたパートもあったけど、初恋?のアリータちゃんはこんなもんだとしてヒューゴサイドは彼女のどこに惚れたのか分からないしそもそも純人間と純ロボットの恋はありなのか?という根本的な問題をスルーしてるので感情移入も出来ずだった。

ただバトルシーンと、改造人間達がコースを走りながらライバルをぶっ飛ば(壊)し、ボールを奪い合うモーターボールという競技のシーンはスピード感と迫力があり良かった。これこそCGヒロインの真骨頂!とも言えるでしょう。
ドラマ部分はダメダメだったし映像的にも綺麗なのに重厚感を感じない(まるでディズニーシーにいるみたいな箱庭を見てる感覚)世界観だったけど、ここは今後の映画のアクション部門の進化が期待出来る内容でした。

続編ありきで作られたのか、アニメで言うと4〜5話くらいまで?みたいな内容だったけどこれは一作品でまず面白いと思わせなきゃだめだよね。面白い要素は沢山あるのになぁ。

あとアリータちゃん、そんなに強くてわりと喧嘩っ早いのに判断力が鈍くて「お前なにぼーっとしてる??」って思ったシーンが二度あって、そのせいで好きにさえなれなかった(笑)
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