ケンジモンデン

メリー・ポピンズ リターンズのケンジモンデンのレビュー・感想・評価

4.2
1964年に公開された名作「メリー・ポピンズ」の55年ぶりの続編。
恥ずかしながら前作を未鑑賞で観ましたが、未鑑賞でもぜんぜんOK。
(でも前作は観た方が1000000倍面白いです)
世界が何となく不安な今だからこそ沁みいる作品です。

少年時代メリー・ポピンズに出会い
いろいろなことを教えてもらったマイケル・バンクス。
20年後の彼は、妻を亡くし、3人の子供を抱え
世界恐慌のなかで家を手放さなければならないほど困窮していた。
そんなバンクス家に、再び空からメリー・ポピンズが舞い降りた。
再び、バンクス家の子供たちの教育係として。

オープニング、映し出されるのは
世界大恐慌で暗く苦しみあえぐロンドンの夜明け。
しかし、街灯の火を消して回る青年ジャックは
陽気に歌っていた。
「Lovely London's Sky」
愛しのロンドンの空、と。
なぜ彼だけがこんなに陽気でいられるのかはあとで分かるけれど、
全編を通して描かれる

「どんなに暗く不安なときでも、
心の持ちようで世界は変わる」

というメッセージは、
いま、この時代に、メリー・ポピンズが帰ってきた理由そのものなんだと思う。
ひとつひとつの歌やセリフに
大切なメッセージが込められていて、
まさしく魔法にかかったように元気になります。
真っ黒な人々に囲まれてる序盤と
なんともカラフルなラストのコントラストも素敵。

個人的に好きなセリフ
「なくしていないものはなくせないの」
「小さな火を灯そう」

あとやっぱりミュージカルが好きだなぁと思いました
メッセージがよりすっと入ってくる
この楽曲たちだからかもですが
と思ってたら作詞・作曲「ヘアスプレー」のコンビやないかい!!!
ヘアスプレー大好きなんです。そりゃいいわ。

昨年公開の「プーと大人になった僕」と同様、
「大人になっても子供心を忘れないでいよう、
というかちゃんとあなたの心の中にあるからね」っていう
大人向けディズニーの代表作となるだろう1本。
最近3Dが多くなったので
久しぶりのディズニーらしい2Dタッチのアニメーションも素敵。
(プーさんもこっちにしてもよかったのでは)

エミリー・ブラント、歌うまい~よかった。
あとは久々悪役コリン・ファースも
チョイ役すぎるメリル・ストリープもよきです。

今日も誰かの心に小さな火を灯そう。
小さくてもいいんだよな。