おーつ

宇宙戦艦ヤマト2199 第一章「遥かなる旅立ち」のおーつのレビュー・感想・評価

4.3
【1〜7章まとめてレビュー】
『現代っ子にも十分通用するリメイク版ヤマト』こういうことを言うとオールドファンから「オリジナルも通用するわ!」と怒られそうです。このリメイク版は、オリジナルが持つ普遍的な良さを残しながら21世紀のアニメファンが好む所に落とし込んでいる、この点で現代っ子にも通用するヤマトだと考えました。

今の小中学生なんかは宇宙戦艦ヤマトを観る機会ってないと思うので、このリメイクがお初となるわけですが、
私はちょうど小学生の時に『実写版』と『復活編』がやった世代なんです。
それでTSUTAYAに連れて行ってもらうのが生活の楽しみだった私は予習のために、
『宇宙戦艦ヤマト劇場版(総集編)』『さらば、愛の戦士たち』『新たなる旅立ち』『永遠に』『完結編』
を観ました。
思い返せば『復活編』は酷かった。笑
(『実写版は書く気にもなりません。)
昔ながらのヤマトに変な新キャラと新メカが合わさって、『ヱヴァンゲリヲン』的なBGMなクラシックを使った演出、6連発波動砲でしたっけ?あれも酷かったな。
という私はハズレくじをひいてる世代に属しています。

で、今作はヤマトの1作目、第1シリーズのリメイクなのですが、総集編しか観てない私でも改変されてることはわかります!
『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版』ほど全く別物になってしまうタイプのリメイクではありませんが、設定などは大幅に変えてあります。

私が思うにこの『2199』がやろうとしていることは『復活編』と近い気がするんですよね。
「どうやって現代人にウケるヤマトを作るか?」
これに対するアプローチも基本は同じなんです。

『復活編』は続編として作られたため、70.80年代にヒットした作品のテイストに、10年代の作品テイストを無理やりはめ込もうとしているからおかしい事になっていました。

このリメイク版では新キャラ以前に従来のキャラクターデザインを一新しています。
さらにキャラクターの性格もかなり改変されています。
例えば主人公の古代進はオリジナル版ではいかにも70年代(ガンダム以前)の勇ましい主人公でしたが、リメイク版では結構ドライ時もあったり状況に合わせた臨機応変タイプになっていたりします。
あとヤマトでよく突かれるのが「乗組員少ない問題」。
今作はそこを解決するために新キャラを使って森雪の仕事を分担させたり、交代制にして主人公たちが持ち場をはなれても違和感がなくなりました。
あと男女比もこれまで森雪が唯一の女性クルーだったのですが、新たに女性クルーが追加されています。
(逆に女性が森雪だけってのも、想像したくないですけど不安ですよね)

そしてこのリメイク版で一番好きなポイントが、ヤマトとガミラス、敵味方双方に内部対立を抱えているという点です。
ヤマトの方はイズモ派がクーデターを起こしたり、ガミラスではデスラー暗殺計画が進行したりします。
それに加えて、ガミラス人で肌の色が違う人たちがいたじゃないですか。
彼らは植民地の人々という設定を加えたことで、ガミラスにはカースト制が敷かれているという事になっています。
この設定のおかげでドラマが濃くなっているんですよ!!

そしてオールドファンむけサービスとして用意されているのがガトランティスの登場!
本来は『ヤマト2』から登場するところを、リメイクの特権でこの1作目の時点で登場させています。これにはテンション上がりました。
ただガトランティス人の事が「蛮族」呼ばわりされていたのは少し驚きです。
そこら辺も続編の『2202』で触れられるのでしょうか?

最後に、
リメイクで新たに加えたものの全く活かされなかった要素も少なからずあるものの、
ヤマトはヤマトです!
1作目のリメイクという時点で失敗するわけがありません!
1章〜7章まで672分、約11時間、
3日間ずっとヤマトでしたが、飽きる事なく観れました。
オールドファンはもちろんまだヤマトを観たことがない人にもお勧めです!
おーつ

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