タンシロ

手紙は憶えているのタンシロのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
3.7
いい意味で胸糞悪い映画だったな。認知症のお爺さんがアウシュビッツで迫害を受けその復讐を果たすため、手紙に書いてあることを頼りに、復讐相手と思しき男のもとを転々と尋ね渡るんだけど、ちょいちょい自分の奥さんが死んでることを忘れては、手紙を読み返して、奥さんが死んでることを思い出すんだけど、、、「もっと哀しめや!!」と。「半落ち」の若年アルツハイマーの奥さんを思い出してほしい。認知症だろうと、長年連れ添った妻が死んだと知るなら、もっともっと深い悲しみが襲うものではないのだろうか?と、だからこのちょっと頓珍漢な主人公の爺さんに猜疑心を抱きつつ観ていたんだけど、途中からハッとした。おそらくこの爺さん、妻を愛していたのではなく、妻を良いように遣っていたのでは?と。妻が亡くなって、悲しい気持ちよりも、困る気持ちが大きかったのでは?と。
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