田舎町での暮らしのどうしようもない閉塞感に苦しんでいる高校生の真子はイヤな事があると橋から川に飛び込んでストレスを解消していた。
そんなある日、東京からやってきた親戚の青年との出会いが真子の心に変化をもたらす…という中編作品。
寂しさとか退屈とか閉塞感とか、そういうのに人は悩まされがち。
特に若い頃は。
そしてそれを解消する方法と言えば“逃げる”くらいしか思いつかないけれど、世間では逃げる事はあまり良くない事とされているし、その悩みは自分の中で作られているものだから結局逃げ出したところで良い事は待っていないのが常。
逃げる事にいい事なんてあんまりありません。
でも一度は逃げ出してみてもいいんじゃないかとも思います。
逃げている途中に見える景色が今まで知らなかった自分の気持ちに気づかせてくれて、そこから前に進む新しい道が見える事も。
迷って苦しんで逃げ出して、そしてまた戻って来たらそこに新しい何かが見えるかもしれません。