みんと

世界にひとつの金メダルのみんとのレビュー・感想・評価

世界にひとつの金メダル(2013年製作の映画)
3.7
鑑賞意欲を損なうタイトルセンスにガッカリだけど、実話に沿った感動作だった。

オリンピックで唯一、人と動物がパートナーを組んで出場する馬術競技で、フランス代表として2度オリンピックに出場し、ソウル大会ではみごと金メダルを獲得したピエール・デュランとその愛馬ジャップルーとの絆と成長の物語。

脚本、主演を務めたのはギョーム・カネ。
キリッとキマった競技コスチューム姿も、フワッと障害物を飛び越える姿も、何ともスマートで凛々しくてカッコ良い。本物のライダーさながらのダイナミックさと臨場感にすっかり魅了された。(どうやらスタント無しらしい)

動物の中でも何故か贔屓目に見てしまう馬のフォルムや眼差し、もっと言えば死と隣り合わせとも言える競技馬に見る刹那から来る神々しさ。今作でも落馬シーンではどうか立ち上がれますようにと祈りにも似た感情が湧き上がった。

また製作費35億円を超える超大作でもあり、ロサンゼルス、ソウルと二つのオリンピックを完全再現し、クライマックスでは頑張れ!頑張れ!手に汗握って2人を応援してた。

細かいところでは、フランス映画でよく見かける大御所俳優陣が勢揃いだったのも見どころだし、ダニエル・オートゥイユがエロでも、ましてやハードボイルドでもなく愛情深い父親役を演じてるのも新鮮だった。

馬好きとすれば、馬の可愛さも賢さも健気さも堪能出来てそれだけでも観た甲斐があったけれど、強いて言えば、実話の忠実性を持たせた故なのか?若干の間延び感が否めず、もう少し端折っても良かった気がする。
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