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団鬼六 美女縄化粧のYuki2Invyのレビュー・感想・評価

団鬼六 美女縄化粧(1983年製作の映画)
3.6
「三代目SMの女王」こと高倉美貴ちゃんは、率直にかなりの美形で(ちょっと「芸術」って感じもしなくはないレベル)、カラダの方も悪くはないのでロマンポルノ的に相当な逸材なのは今作を観ても十二分に感じ取れるだろう。ただ、演技の方は殆ど素人同然で、SMたる今作では(眉間に皺寄せてりゃイイので)苦痛を耐え忍ぶシーンはまだしも、悦楽その他の感情の表現はどーしようも無く稚拙で、とにかく気持ち好くなってるって感じがまるで無いのだよね(それ自体、初々しさと捉えればメリットなのかもは知れんケドも)。SMとしてもタイトルどおりメインは緊縛で、あとは失禁・剃毛(+ラストには鞭打)が少しある位なのでその意味では間違い無くソフトな方だし、生々しくてリビドー全開!という感じの「使える」ポルノではあまりないかも知れませんね(=味薄め)。

ただ、前述どおりの美貴ちゃんのハイソな美貌を活かすという意味でか、また結構オシャレ系の纏め方をされては居るのであって、そしてその側面は決して悪くない出来だったかと思いますかね。音楽もイイ感じに気取ってるし、縛られる女優の画ヅラも美貴ちゃん筆頭に十分に美しいし、調教師だって細身で中々男前な大杉漣だし、で。オーラスの眩いバカリに白く輝く打擲台なんかも私は好いセンスだったと思いましたですよ。ポルノよりもロマン、という系統のロマンポルノ、ですかね。

そのハイなセンスの方面と、そしてポルノ的にも重要なアクセントになっていたのは(実は黒幕な)ベテラン江崎和代ですね。相変わらず和装の似合う涼し気な風情に加え、責め役も責められ役もこなす器用さが(本作では特に責められて善がるシーンで)効果的だったと思います。私なんか、SM作品で彼女が出てるとちょっと安心できる、てなモンでありますワ。
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