イチロヲ

団鬼六 美女縄化粧のイチロヲのレビュー・感想・評価

団鬼六 美女縄化粧(1983年製作の映画)
4.0
父子家庭で英才教育を受けている令嬢(高倉美貴)が、謎の調教師(大杉漣)により拉致監禁されてしまう。美しい令嬢が性倒錯の世界へと落とされていく過程を描いている、日活ロマンポルノ。団鬼六原作。

藤井監督自身が「安直な密室劇は絶対にやらない」を信条にしているため、場面転換がとても早く、ドラマの停滞がほとんど感じられない。それでいて、多種多様な緊縛ショーを腹いっぱいになるまで拝ませてくれる。

デスマス調で謙りながら型破りなプレイに勤しむ大杉漣と、カメラ撮影担当のパートナー(隈本吉成)が、阿吽の呼吸で調教を進めていく。とりわけ、カメラマンの青年が「綺麗な身体を写したいだけ」という行動理念をもっているところが面白い。

父親(宇南山宏)の性的嗜好を知らされた主人公が放心状態になる場面は、実際に女優を30分間放置してから、撮影したもの。端正な顔立ちが歪む様子と、縄の味が染み込んだ女体の芳香が、あまりにも淫靡。
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