現れる小林

哭声 コクソンの現れる小林のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.7
高校の時から見ようと思っていたが、見たらものすごい気分になるのではないかという恐れから先延ばしにしていた映画。何日かに分けてタブレットで鑑賞。

何もかもが怖い映画だった。まずうっすらオレンジがかった地獄のような色合いのポスターが怖い。「哭」という漢字がもう怖い。夜道で出くわしたら怖い漢字ランキング第1位。

設定も怖い。呪いが村を侵食してゆき、そこからは絶対に逃れられないというのが直感的にわかる。

そしてなんと言っても國村隼が凄すぎる。彼はこれで外国人(韓国人以外)初となる青龍映画祭の賞を取ったそうだが、それも納得の怪演だった。

ところどころでちょっとチープな感じがしてしまった(特に悪魔の目の赤が鮮やかすぎる)のを除けば褒めるところしか見当たらない。ものすごく独創的で奇怪だ。絶望的な恐怖というのをここまでうまく演出した作品はかなり珍しいのではないだろうか。

日本のホラーでも見られるが、やはり東アジア的なジメジメした恐怖は魅力的だ。