猫エッグ

哭声 コクソンの猫エッグのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

見ながらもやもや。見終わってももやもや。監督の思う通りに鑑賞してしまったのだろうな。
呪いの原因は日本人? 白い服の女性? 祈祷師? 毒性キノコ?
結局、どれが原因だったのか分からない。どれもが原因だったのかもしれない。

分からないことへの耐性のなさを突きつけられる。
それとも、現代の私たちは「分かる」「割り切る」ことに慣れすぎているのだろうか。
分からないことを放っておけずに、憶測で原因を決めつけ、それを悪者であると排斥しようとしてしまう。監督はこの作品で、そういった社会の流れに警鐘を鳴らそうとしているようにも受け取れる。
こういう時代だからこそ、分からないものを分からないままにしておく心の器(≒ネガティヴケイパビリティ)を大事にしていきたいなと思う。

また、私は『女神の継承』を先に見ていたので、全てが最悪に働いた形としての災いみたいなものも描かれているのかなと思って、どちらかというとそっちの方がゾッとした。地方の祈祷(?)、日本人の謎の儀式、キリスト教、医療など。全てが初めからごちゃ混ぜになっているからこそ、何が正解か分からないみたいな。
ここから『女神の継承』に繋がったんだなぁと思うと感慨深い・・・。

あと、この監督は可愛い女の子を邪悪に仕立て上げるのが上手いから、見ていてすごく苦しくなる・・・。でも、好きな監督の一人になりました。
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