戦い

哭声 コクソンの戦いのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

序盤は後手を踏み続ける主人公のふんわりと厭が交互に流れて気が狂う。雷に打たれるところとか突拍子もなくて笑っちゃうんだけど、ちゃんと不気味だし、笑っちゃうようなところが余計にいや。
関東大震災に伴う朝鮮人虐殺のことが頭にあったので、正にその意趣返しのような話だ。冒頭の引用ともしっかりあってるしな。主人公の、日和見的にのんびり様子をうかがって、事態が急変してから感情のままに動いてしまうという態度と比べると、最後まで物事を観察しようとするイサムの態度は芯が通っている。それまで異質な他者のとして不気味に描かれた國村隼が痛みに声を抑える様子から人間らしさがうかがえる。キノコが異人への疑心を悪魔にしてしまったんだな。
と思ったら。そんなきれいなオチさえ裏切って、国家権力、父性、地縁、巫俗、キリスト教の全てが役に立たない。次々と原因が現れ、最後の三すくみでは何がなにやら。白い服の女が目撃証言を取りやめて消えたり、祈祷師が烏の糞のところでビビりまくってたのはなんだったの? エクソシストものやゾンビものの要素を貪欲に取り入れながら見たことないものを見せてくれる。とにかくアノミーで画面の美しい韓国映画のことが怖いです。
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